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第3回 稲城S邸 清水勝広建築工房 東京都稲城市

コラム記事:建築家と作る家
用途/個人住宅
構造・規模/木造、一部RC造、地上2階建て
敷地面積/147.52平米
建築面積/58.88平米
述べ床面積/113.46平米
構造設計/名和研二(なわけんジム)
施工/ 本間建設株式会社
家具、木製建具製作/ サンダンス・ウッドワークス
設計期間/05年3月-05年8月
工事期間/05年9月-06年2月
photo by Daici Ano / FWDINC.

敷地は多摩丘陵に囲まれた閑静な住宅街です。 定年退職を迎える夫婦と祖母、次男、行く先居住予定の長男世帯の為の2世帯住宅を見越した建物です。「空調を使用したくないこと」「近い将来の居住者構成が、確定していないこと」の2点が課題としてあげられました。
この住宅の特徴は建物中央に設けた4つの門型コンクリート壁と、それを包む木造の殻からなるシンフプルな構成です。RC壁は構造的役割を担う一方で、室内熱環境への効果も考慮しています。各室つながりを持った間取りは、将来的な家族構成の変化に追従でき、また、風通しの良い空間を形成しています。

家作りは旅に似ていると思います。目的地を決めるのはクライアント、我々はその旅先案内人です。ゴールにたどり着く事が すべてではなく、道中で起こる、経験やコミュニケーションは、旅ごとに異なったものとなるでしょうし、それを共有する事が一つの醍醐味としてあるように思います。今回はその旅の一部をお見せしようと思います。どうぞご覧下さい。

設計過程

2005.03.01

新しい住宅設計の依頼があり、早速、打ち合わせ兼、敷地見学に行って来ました。計画地は 稲城市内で丘一つ向こうが多摩ニュータウンという場所に立地し、周囲は多摩丘陵に囲まれ、落ち着いた雰囲気の場所です。



2005.03.27

第一回目のプレゼンテーションを行いました。建物の配置は周辺になら い建物を北側に寄せ、南側に日当たりの良い庭を確保しています。空調を一切使用したくないというお施主さんのご要望に答え、通風と室内の熱環境に視点をおきながら設計を進めて行く予定です。

 
2005.04.19

第二回目のプレゼンテーションを行いました。 許容建坪率、容積率 、最大限のボリュームを取りつつ、要望された各居室を できるだけ広く確保することを最優先としスタディーを行い提案をしました。プランはプライベートスペースの真中にセミパブリックスペースを配置し空間を 分けています。断面 ではセミパブリックスペースの部分を 3 層構造としました。 それぞれの空間の関係性をファサードや素材の決定においても反映させていく方向で進めていきます。

ダイヤグラム イメージ模型


2005.05.10

基本設計が終わり、 構造が固まりました。

建て方前 建て方後
   

今回の設計の特徴は住宅中央に置かれた R C の壁です。
これには下記のような3つの特徴があります。

1. 構造
  『 建物の水平力を鋼性の高い RC 部分にすべて負担させます』 結果、在来木造に比べ壁量を少なくすませることができ、南面に向けて配置した 4 つの空間につながりを持たせることが可能となります。
   
2. 熱環境
  『 熱容量の大きなコンクリート壁を断熱効果の高い木造壁で周囲を覆っています 』 冬暖かく夏涼しい快適な居住空間の形成をこころみています。
   
3. コスト
  『 中央の R C 壁は一度でコンクリートを流し込める形状としています 』 作業工程のロスやコストバランスを考慮して計画しています 。
   
2005.05.20

実施設計に入りました。 今回の打ち合わせでは外観、内観の仕上げがおよそ決まりました。 建物の構造となるコンクリートの壁と 1 階の天井はスケルトンにし RC と木の素地をみせます。 外壁、屋根の内側は白く塗装し、やわらかい皮が建物全体に 覆いかぶさっている様にします。

模型写真
 
2005.07.12

実施設計が終わり、とうとう入札です。施工業者3社に見積りをお願いしました。

2005.08.26

工事業者さんが決定しました。いよいよ着工です。


工事過程

2005.09.08

本工事を目前に施工業者さんと構造及び、建て方までの段取りの打合せをしました。
今回の計画は一部 RC 造、及び S 造を採用した木造であるため、入念な下打合せが肝心です。

軸組模型 軸組模型
 
2005.09.22

配筋検査を行いました。基礎は建物にとって大事な箇所です。

敷地の様子
 
2005.10.24
正面玄関のRC
 
2005.11.11

屋根を構成する鉄骨の製品検査を行いました。

 
2005.11.15

1 F 木造部分の建て方を行いました。

 
2005.11.18

木造の建て方終了後現場検査を行いました。 今回の計画は R C 造、鉄骨造、木造の混構造なため、業種間の精度のずれには細心の注意を払う必要があります。 来週の鉄骨建て方に向け、1カ所づつ丁寧に取り合いの検証が行われました。

2F床より飛出たRC部分 
屋根を構成する鉄骨
 
2006.12.02

屋根外壁の構造用合板が張り始められました。

 
2006.12.13

壁の地下、電気配線等、最終的に隠蔽されてしまう部分のチェックをしました。

 
2005.12.13

アルミサッシの取り付けが始まり、 曖昧だった住宅の輪郭が明確になり始めました。 現場にはガラスが搬入され始め、内外という境界ができ始めています。 同時進行で、外壁の板金工事も行われています。 これから工事は複数の施工が同時に行われ、現場は一気に加速して行きます。 現場監督さんの腕の見せ所です!今回、木製建具と造作家具を分離発注している 家具屋さんのサンダンス・ウッドワークスにて、詳細の打ち合わせを行ってきました。
木の良い香りが漂い、家具の出来上がる工程を横目にしながらの打ち合わせはかなり贅沢でした。

夜景 玄関付近から
寝室方面を見る
工場の様子
 
2006.01.24

内装仕上げ工事がスタートしました。無垢フローリングが張られています。


2006.02.01

大工工事も終盤を迎え、仕上げ工事に突入しようとしています。 我々監理者の作業は、残すところ図面・スケッチにて決めてきた箇所をチェックするのみとなりますが、気は決して抜けません。
同時に、サンダンス・ウッドワークス製作による家具の搬入も始まりました。

1Fから
踊り場方向を見上げる
家具
 
2006.02.21

建具吊り込みが始まりました。
木製 建具の製作もサンダンス・ウッドワークスです。 玄関の建具は、外壁で使用する木と同じレッドシダーで造っています。小さな窓が有り、無垢のアクリルがはめ込まれる予定です。

玄関建具 建具取手部分
 
2006.03.04

完了検査を行いました。施主、工務店、設計者の厳しいチェックを行い、完成度をさらに高めます。

 
2006.03.11−12

お施主様のご好意で、オープンハウスを開催させていただきました。
日頃お世話になっている方々、ご近所の方までお越しいただいて大盛況でした。

 

竣工写真

photo by Daici Ano / FWDINC.
建物中央のRC壁に囲われた空間
RC壁に囲われた空間からは
4居室が同時に望めます
   
2Fリビング 2F子供部屋
   
1F寝室 1F和室
 

photo by
Kazuhiko Washio

建築家紹介

清水 勝広(しみず かつひろ)

1974 東京都生まれ
1998 東京藝術大学美術学部建築学科卒業
同年、設計デザイン活動開始
2002 一級建築士事務所 清水勝広建築工房開設

受賞歴
1997年度東京藝術大学卒業制作買上賞

連絡先(設計に関するご相談)
一級建築設計士事務所
有限会社 清水勝広建築工房

169-0074
東京都新宿区北新宿3-9-16
SHIRAKAWA BLD.B1F
tel 03-5925-3234 / fax 03-5925-3235
info@katsu-archi.com
http://www.katsu-archi.com

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