屋上緑化をはじめよう

エコ・ロハス

都市部の気温上昇、いわゆる「ヒートアイランド現象」が深刻化しています。クルマやビルなどがもたらす都市活動に伴う排熱と同時に、建築物等の人工物で土地を覆ってしまうため緑が失われ、地面の気温が上昇してしまうことが主な原因と言われています。

そんな中、ビルの多い都市部では、このヒートアイランド現象の解決策として、「屋上緑化」への取り組みが注目され、話題を集めています。

「屋上緑化」とは、ビルやマンションの屋上に植物を植えて緑化すること。条例などによる義務化の動きも増えてきているため、都会の真ん中にも、緑化され青々とした屋上が登場するようになりました。
企業だけでなく、一般のご家庭でも、屋上スペースやルーフバルコニー、ベランダなどを緑化する方が増えてきていて、環境への関心の高まりがうかがえます。

【屋上緑化のメリット】

屋上緑化には様々な効果があります。

冷房効率

夏場のコンクリートの表面は驚くほど熱くなるもの。日中蓄熱され、夜間に放熱されるため、熱帯夜の原因とも言われています。芝生部分とモルタル部分では、20度くらいの温度差になることもあるのです。
屋上緑化を施すと、階下の室温が2～3度ほど低くなります。これを冷房費に置き換えると、6畳の広さの部屋で1日あたり約54円の節約に。これは土の断熱性と植物の水分コントロール（蒸散活動）による効果です。

建物の保護

屋上緑化を実施することで温度の変化が軽減するため、建物の躯体や防水層のひび割れを抑制することができます。また、紫外線が直接防水層にあたることがなくなり、防水効果の寿命が大幅に向上します。

健康への影響

緑に接することにより、気分も晴れ晴れし、明るく健康的に過ごすことができます。園芸作業には心理的安定効果や呼吸器官活性向上などの作用が期待できます。
また、ガーデニングをすることによる運動不足の解消や、精神疲労、緊張感の低減、視覚疲労の回復にも効果があるといわれています。

他にもこんなメリットが

小さいお子様をお持ちの方なら、屋上緑化によってできたプライベートガーデンで、お子様を安心して遊ばせることができます。またペットも気兼ねなく放すことができます。店舗等であればビジュアル的なイメージアップに繋がります。また、CO2、NO2などを削減することによって空気が浄化されます。

【屋上緑化の前に確認しておくこと】

屋上庭園を造りたい！と思ったらまず次の点を確認しておきましょう。

建物の構造

屋上には人の歩行が可能なものとそうでないものがあります。人の歩行が可能でない屋上の場合の多くは、屋上庭園の設置が不可能です。屋上にフェンスや階段が付いていない場合、「非歩行」である可能性が高いようです。

防水は大丈夫？

建物の防水の寿命は10年から15年程度と言われています。屋上庭園を設置する前に防水の改修が必要になる場合があります。また、ウレタン塗膜防水の場合は、その性質上、屋上緑化には適さないので注意が必要です。

屋上庭園の設置は、数平方メートルの小さな空間であれば、DIYショップなどで材料を購入し、自分で施工することも可能ですが、実績のある専門の業者にお願いするのが安心です。

【屋上庭園を楽しむ】

屋上庭園を造ったら、植物の成長が何よりの楽しみ。きちんと植えて育てれば、いつでも季節を感じられる暮らしが待っています。

植物の選び方

屋上庭園を造ったら、木を植えたい！という場合、落葉樹はなるべく内側に植えるようにします。これは、落ち葉でお隣の家に迷惑をかけないようにするために心がけたいことです。また、植物は種類によって成長度合いが異なります。屋上やバルコニーに限ったことではありませんが、成長の早い植物は剪定管理が多くなったり、その空間に適した大きさが維持できなくなったりすることがあります。ですから、植物選びは、詳しい方に相談しながら進めるのがベターです。

水やりについて

屋上は日当たりが良い反面、風が強いので乾きやすいところでもあります。屋上庭園の水まきをするうえでのポイントは、一度にたっぷりのお水をあげるということです。表面が濡れたくらいだと、強い日差しと風によってすぐに土が乾いてしまいます。広いお庭を散水するのはなかなか大変なもの。家を空けることが多かったり、きちんと水まきをする自信がない場合には、自動散水設備を設置する、ということもできます。自動散水機を使えば、回数や時間を設定でき、忘れずに水まきをすることができます。