ヒートショックによる家庭内事故を防ぐ
「家庭内事故」という言葉をお聞きになったり、新聞・雑誌紙上で目にされたことはありますか?
「交通事故死」については報道されていますが、「家庭内事故死」についてはほとんど知らされていないのが現状です。平成17年の「交通事故死」総数6871人に対し、「家庭内事故死」はなんと12781人と約2倍となっています。
これから住宅を購入したり、リフォームを考える際には「家庭内事故」というものにも気を配らなければなりません。
まずは、家庭内事故死の現状を見てみましょう。
【家庭内事故死】の現状とは?
1、「交通事故死」は年々減少しているが、逆に、「家庭内事故死」数は年々増加傾向にある。2、家庭内の事故によって、通院・入院する方は死亡数の20倍以上いる可能性が高い。
3、「0歳」「1〜4歳」は死亡数が減少傾向にある。
4、「65〜79歳」「80歳以上」では死亡数が増加傾向にある
5、家庭内事故死のうち、「4人に3人」は65歳以上。
6、加齢によって、今までは問題なく生活していた「住宅」内で、事故が発生しやすくなる。
この結果を見ると、高齢になっていくにしたがって、今まで全く問題なく生活できていた住宅内に潜む「何か」が原因となって事故を起こすことがあると考えられます。
その原因の1つに「ヒートショック」があります。
「ヒートショック」とは、「家の中の急激な温度差」つまり「暖⇔冷⇔暖」という激しい温度差を体感することによって、体内に急激な血圧変化が発生し何らかの影響を及ぼすことを言います。
上記の図をさらに細かく見てみると、死因の上位には「溺死・溺水」という項目があります。
育児の際に、よく注意されるのが「幼児が洗濯機(洗浴槽内)・浴槽内で溺死すること」です。小さいお子さんがこういう被害に遭ってしまう可能性が高いのは理解ができそうですが、では何故、高年齢の方の死因の上位に「溺死・溺水」があるのでしょうか。
この「高齢者による溺死」は、浴槽内において「失神する」ことによって発生すると言われています。そしてその「失神する原因」の多くが「ヒートショック」であるとも言われています。
「暖かいリビング」から「寒い脱衣所+裸になる」、そして「暖かい湯の中」という急激な温度差を繰り返し体感することになり失神を起こしてしまうのです。
では、この「ヒートショック」を解決するのにはどういうことが必要なのでしょうか。
ポイントは3つあります。
1、ヒートショックを防ぐには、「全館冷暖房」住宅が必要。
「ヒートショック」を防ぐには当たり前ですが家の中に急激な温度差を作らなければ良いのです。最近では「全館冷暖房」という考え方が普及しつつあります。家の中全体を「暖房」「冷房」にすることでトイレ・風呂場・廊下がリビングに比べて寒くならず、「ヒートショック」を解決してくれます。しかし、ここで簡単に「全館冷暖房」といって廊下やトイレまで冷暖房を入れたりしたら費用がかかりすぎてしまいます。「ヒートショック」が危険であると知っていても、冷暖房費用に毎月10万円を超えたのでは、なかなか現実できません。そこで2つ目のポイントです。
2、安い暖房費用(冷房費用)で「全館冷暖房」を実現するには、【高断熱・高気密住宅】にする必要がある。
「家の中から外へ暖房熱(冷気)がどんどん逃げる」から、エアコン等の費用が高額になってしまうのです。「高断熱・高気密」住宅は断熱材で家全体を覆って断熱性能を高くし(高断熱)、家の隙間を少なくし隙間風からの外の寒さを家の中に持ち込まない(高気密)ようにしてしまう住宅のことです。今までの住宅でも「断熱」されていましたが、それだけでは不十分です。もっと断熱性の高い材料(もしくは断熱材の厚さを増やす)で家全体を断熱します。こうすることで1部屋分の冷暖房費で、ほぼ全体が暖まります。
また
3、基礎も断熱すると、より良い効果が期待できる。
というポイントもあります。これは木材(=構造体)を腐らせないという効果もあります。このように「高断熱・高気密」住宅にすると、安い冷暖房費用で家全体(家の中)が暖まります。結果としてヒートショックを防ぐことができます。いつでも、廊下・トイレ・お風呂が寒かったり暑かったりしません。
ヒートショックを防ぐには、この方法が一番良いのではないでしょうか。
情報提供
中鉢建設株式会社
永く快適に住める住宅として、外断熱・地熱住宅を建てています。地熱住宅って何? 自然素材住宅って何? と思われた方、ご相談下さい。
ecoハウス研究会
ecoハウス研究会は全国の伝導型地中熱活用住宅を手掛ける工務店が集まって作った【天然エネルギーを活かす本物のエコハウス】を追求する会です。