不動産取得にかかる予想外の費用
物件を検討して、頭金を準備して、住宅ローンを定めて、さて一段落と思ったところで、購入価格以外にかかる費用に驚く方が多いようです。
ローンに関わる手数料・保険料、契約や登記に関わる費用、購入に関わる費用、購入後に関わる費用・・・
書き出したらきりがありません。
契約を結んだのはいいけれど、慌てて資金繰りを見直すはめにならないよう、注意しなくてはなりません。
では、一体どんな費用がかかるのでしょうか?
ローンを組む場合の費用
・融資手数料・・・住宅ローンを利用する場合には「融資手数料」がかかります。どこから融資を受けるかによって金額に差がありますが、約5万円前後が多いようですが、3〜10万円程度を目安にしておきましょう。
・保証料・・・民間の金融機関でローンを場合、長期高額のローンを組むのに、保証人代わりとして、保証会社に依頼するのことが多いです。保証料を一括して支払う方法と、保証料分をローン金利に上乗せして支払う方法の2種類があります。
・団体信用生命保険・・・住宅ローン利用者が、死亡や怪我・病気で返済が困難になった場合、返済を肩代わりしてくれる保険です。住宅金融公庫の団信は毎年払いでローン金額や返済期間によって金額が異なります。民間金融機関はローン金利に(0.3%程度)上乗せされているので負担感はありません。
・火災・地震保険料・・・ローンを組む場合は、火災保険の加入が義務となります。地震保険の加入は任意ですが、地震が原因の火災には火災保険が適用されないこともありますので、必要に応じて加入しましょう。
・印紙税・・・金銭消費貸借契約書等、契約書類には印紙を貼る必要があります。
契約や登記にかかる費用
・印紙税・・・売買契約や建築請負契約を結ぶ際に、契約書面に印紙を貼ります。
・登記費用・・・第三者に所有権を主張するために、所有権の移転登記や保存登記を行う必要があります。その際、登録免許税がかかります。また、ローンを組む場合は、抵当権の設定登記を行いますので、同様に登録免許税がかかります。登記手続きを司法書士に依頼する場合には、その報酬が別途必要です。
私が自宅購入にあたり、不動産会社の紹介する司法書士に手続きをお願いしたところ、約37万円かかりました。
なかには30万円程度で請け負ってくれる司法書士もいるそうなので、ご自分で調べて依頼するのも良いと思います。
以下、内訳です。
●手続の代理/書類の作成
・移転敷地権 38,000円
・登記原因証明情報 15,000円
・抵当権 33,000円
・謄本 3,000円
・取引立会 20,000円
・日当3日 18,000円 ・・・計127,000円
・登録免許税または印紙税等 ・・・227,500円
●その他費用
・事前調査/旅費/通信費 7,000円
・識別情報有効確認 5,000円 ・・・計12,000円
・消費税 ・・・6,350円
・・・合計372,850円
購入・転居に関わる費用
・仲介手数料・・・仲介業者に依頼した場合には、仲介手数料がかかります。目安としては、物件価格の3%+6万円(上限)です。
・設計費用・・・建物の新築を設計事務所に依頼した場合は、設計・監理の費用がかかります。目安としては工事費の10%程度です。
・引越費用・・・引越業者への支払いの他、ゴミの処理代や家電・家具の買い替え等で、意外と大きな出費になります。引越し会社の比較・見積サイトもあるので、活用しましょう。
購入後にかかる費用と税金
・不動産取得税・・・都道府県から納税通知書が届きます。届く時期は、各県により異なります。不動産の価格は、原則として市町村の固定資産台帳に登録されている価格によりますが、新築住宅などで価格が登録されていない場合は、固定資産評価基準により評価した額によります。
・固定資産税・都市計画税・・・地方税(市町村税)で1月1日現在の不動産(土地・建物)の所有者(固定資産税課税台帳に登録されている人)に課税される税金です。購入物件に前の所有者がいる場合、購入年の固定資産税は、日割で各所有者が負担します。固定資産税の税額は「課税標準」に1.4%を掛けた額、都市計画税は「課税標準」に0.3%を掛けた額になります。
・管理費・修繕積立金・・・マンションを購入された方は、長期修繕計画に基いた修繕積立金、毎月の管理費を支払います。
以上がすべてではありませんが、一つの目安にしてください。 凡そ、購入予定の物件の5〜10%程度の準備資金は確保しておいた方が安心です。