やっぱり頭金は物件価格の２０％必要？
家を買うなら、本体価格の他に諸費用というものがかかります。 これは、不動産の登記にかかる費用だったり、税金だったり、 ローン利用の手数料だったり、保険だったり、文字通り諸費用。 また、これは購入する物件によってもどんな費用が掛かるのかが 違ってくるので要注意です。 大きいところでは、中古を買う場合、不動産会社に支払う仲介 手数料、約３％とか。 新築マンションなら、修繕積立基金が１％とか。 家を建てるなら、地鎮祭等の費用とか。
こうしたものを考慮して、一般に新築なら物件価格の４〜６％、 中古なら７〜８％を見ておくようにと言われます。 そして、一般的に住宅ローンを利用するときには、物件価格の ２０％を頭金として用意するようにと言われます。 諸費用は普通ローンに組み込まないので（やればできますが、、） やはり不動産購入時には、物件価格の２５〜３０％を現金で用意 する必要がありそうですね。
４０００万の新築マンションを購入するなら、やっぱり１０００万は 用意したいです。 そんなに溜まるまで待てない！と言う方。あなたは、４０００万の 新築マンションに住む資格がない方です。おそらく、フルローンや 諸費用も組み込んだローンが組めて、そこを購入できたとしても、 いずれ支払いが破綻し、そこを出て行かなければならない日が くることでしょう。
そもそも、今までの住宅ローンは、 (1)終身雇用が確保されていて、定年まで給与が上がり続け、退職金も満額支給される、 (2)土地は値下がりすることはない という、今となっては信じることがむなしい２つの神話に基づいて 設計されています。 経済のグローバル化で、(1)が否定され、少子高齢化や産業の 空洞化で(2)が否定されているのであれば、今までのように 何も考えずに住宅ローンを組むのは相当危険ですよね。
さらに危険なのは、日本の住宅ローンは、リコースローンである という点です。これは、簡単に言えば、万一のときに、家を売って ローンを返済しようとしても、売却金額がローン残債より少ない 場合は、その差し引き金額も引き続き借金を背負い続けるという ことです。つまり、家を失い、借金の残るという最悪のケースが 普通に起こりうるということを示しています。
これとは逆に、ノンリコースローンといのがあります。これは、金融 機関が借金の担保に当該不動産のみをとるということになり、 万一の場合は、どんなにその不動産が値下がりしていても、その物件 を差し出せば借金はなくなります。ただし、これは金融機関にとっても リスクになるので、ローン金利がリコースローンに比べて高めに設定 されることになります。
「家を売ったときの価格が、ローン残債を上回ってればいいんでしょ？」 というあなた。であれば、やっぱり頭金２割は最低ラインです。 新築の場合、家にしろ、マンションにしろ、作ったときの原価に、販売 した業者の利益が上乗せされています。これが、大体１〜２割です。 ということは、新築は買ったとたん、本来の評価額が、その業者の利益 分である１〜２割落ち込むということです。
５０００万の新築マンション。例えば１０００万が業者の利益だとすると、 正味価値は４０００万円。つまり、フルローンでこれを購入した場合、 ４０００万円の価値しかないものに、すでに５０００万円の残債があると いうことです。
不測の事態で、すぐにこのマンションを売った場合、その新築の家を 失うだけでなく、１０００万円の借金が残ってしまうということです。 だから、頭金２割は必要なんですよ！ ５０００万のマンションに１０００万の頭金を入れて、４０００万のローン を組む。正味４０００万の物件に、４０００万のローン。計算あってます。 諸費用をローンに入れてはいけない理由も分かりますよね。
もちろん、値上がりする物件もあれば、もっと下落する場合もあります ので、一概に上記があてはまるわけではありませんが、一般的には そういうことです。
頭金２割を入れるという事は、リコースローンを自らの力でノンリコース ローンに変えてしまうという自衛手段なのです。 そう思って、頑張って貯めてみてください。
