エレベーター設備について
近年のニュースでエレベーターに関する問題が取沙汰されていますが、マンション生活にエレべーターは欠かせない存在です。定期点検の実行や保守契約等が管理組合と委託会社によってきちんと履行されているかどうか、入居者としては関心をもちたいものです。
エレベーターの種類
エレベーターを構造で分けると、油圧式エレベーターとロープ式エレベーターがあります。 油圧式とは、機械室に設置してあるパワーユニットと昇降路に設置する油圧ジャッキを油圧配管で連結し、作動油を油圧ジャッキに注入することによりかごを昇降させる方式です。 ロープ式エレベーターとは、昇降路の直上や昇降路内に設置された巻上機の駆動力を用い、ワイヤーロープによってかごと重りをつるべ式にしてロープで駆動する方法です。ホームエレベーターなど小型のエレベーターではロープをドラムに巻き取る方式があります。
用途で分けると、乗合用と貨物用に分けられ、速度では1分間における速度が低速で45m未満、中速で45〜90m未満、高速で90m以上です。 建築基準法の規定では重量制限を人1人65kgとして定員を計算します。
エレベーターの保守点検契約の内容
エレベーターは可動や経年変化によって部品が消耗するため、定期的なメンテナンスを要します。また未然に事故を防ぐために予防保全を常日頃行う必要があります。メンテナンスは、メーカーや系列メンテナンス会社と保守点検契約を行う場合が多く、日本工業規格(JIS)の昇降機の検査標準に従い点検されます。 主にメンテナンス契約にはフルメンテナンス契約とPOG(Parts Oil and Grease)契約の2種類あります。
フルメンテナンス契約では、昇降機の各部品の取替や、機器の修理を状況に応じて行うことを内容とした契約です。契約内容に大規模な修繕を含めているので、月々の保守点検料金が割高になりますが、一時的な高額出費を要さず、管理計画通りの予算が立てやすいというメリットがあります。ただしメンテナンスが目的ですので、乗場扉や三方枠の塗装、かご室内の塗装や床材の修理、意匠変更による改修、新機能の追加等はサービスに含みません。
一方、POG契約は、消耗部品交換付メンテナンス契約のことで、定期的な点検や管理範囲内(建築基準法12条に基づく定期検査の範囲)の消耗品交換は含まれますが、その他の部品取替や修理は、別料金となります。 フルメンテナンス契約と比較して割安の契約料金ですが、予期しない部品交換や修理費用等で高額なものなどが発生した場合、予算に大幅な影響があるため、あらかじめ予算を別に確保しておく等の措置が必要です。
エレベーターの耐用年数と運行管理
いくらメンテナンスにより適切な管理を行っていても、エレベーターにも耐用年数があります。エレベーターの設備維持保全推進協会(BELCA)のライフサイクルコストのデータによると、計画耐用年数は25年と定めています。その間は、定期点検として1年に1回以上、国土交通大臣の定める有資格者が検査を行い、特定行政庁に報告をする義務があり、エレベーターの所有者は、定期検査報告書の写しを3年以上保管しなければならず、また報告後は、定期検査報告済証・標識を見やすい位置に掲示する必要もあります。 所有者等はエレベーターの維持・運行の確保のため、使用頻度に応じて専門の技術者に約1ヶ月ごとの点検整備を依頼する必要もあります。
ご自身のマンションの管理計画や長期修繕計画に、エレベーターの保守費用やメンテナンスが十分に組み込まれているかチェックしてみてはいかがでしょうか。



