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不動産売却で贈与税がかかる場合とは

贈与税の基礎知識から負担を軽減させる方法まで

親子や夫婦などの親族間では、無償で不動産を譲り渡すケースが珍しくありません。しかし、このようなケースは贈与とみなされ、贈与を受けた人に高額な贈与税がかかります。

また、無償同然で不動産を売却することも贈与とみなされる場合があるため、注意が必要です。子供や孫のための行為が、思わぬ負担となってしまうこともあるでしょう。

そのようなケースを避けるために、贈与税に関する知識を深めておくことが大切です。今回は、不動産売却で贈与税がかかる場合や贈与税の負担を軽減させる方法を解説します。

今は読んでいる時間が無い!という方、この記事の要点はこちら
  • 時価よりも著しく低い価格での不動産売却は、贈与税の課税対象になる場合がある
  • 贈与税の課税対象は、個人間の取引のみ
  • 個人と法人または法人間の不動産売却は、法人税や所得税の課税対象になる場合がある
  • 贈与税の最高税率は55%
  • 敷金付き賃貸アパートは、敷金の引き継ぎ方に注意

1. 不動産売却で贈与税がかかる場合とは?

贈与と聞くと、土地や建物などの資産を無償で譲り渡すことを想像する人もいるでしょう。しかし、資産を譲り受ける人が金銭を支払ったとしても、贈与税がかかる場合があります。

不動産売却で贈与税がかかる場合とは、個人間で時価よりも著しく低い価格での不動産取引をした場合です。

例えば、時価5000万円の不動産を5万円で売却したなど、本来の価値よりも著しく低い価格で売却した場合です。この場合、時価5000万円と買主が支払った金額5万円の差額である、4995万円の贈与があったとみなされます。

このようなケースは他人同士では非現実的ですが、親族間など親しい間柄であれば起こり得るでしょう。しかし、極端に低い価格での不動産売却は、買主に高額な贈与税が課税される場合があるため注意が必要です。

1.1. そもそも贈与税とは?

贈与税とは、一般的に個人と個人の間で行われる贈与にかかる税金です。

贈与とは、個人の財産を別の人にあげることを指します。財産を与える人を贈与者、もらう人を受贈者といい、受贈者にかかる税金が贈与税です。

先述の通り、贈与税は不動産を無償でもらうだけでなく時価よりも著しく低い価格での不動産売却でも課税される場合があります。

1.2. 贈与と譲渡の違い

贈与と譲渡は、どちらも人に譲り渡すことを意味しますが、不動産取引において、贈与は無償で渡すこと、譲渡は対価を受け取って渡すことをあらわします。

そのため、一般的な不動産売買取引で行われるのは、不動産の譲渡です。

2. 【注意】個人・法人間で贈与とみなされる不動産売却

前章では、個人が個人に対して、時価よりも著しく低い価格で不動産を売却した時に贈与税が課税されると解説しました。

それでは、法人と個人または法人間でそのような不動産取引を行った場合、税金がかからないのでしょうか。

結論を言うと、個人間の不動産取引でない場合、贈与税はかかりません。しかし、所得税や法人税など他の税金がかかる場合があるため注意が必要です。

2.1. 法人・個人間の不動産取引

贈与者と受贈者がそれぞれ個人または法人の不動産取引では、以下の通り法人税や所得税がかかる場合があります。

贈与者 受贈者 課税される税金
法人 個人 贈与者の売却益に対して法人税
受贈者の所得に対して所得税
個人 法人 贈与者の譲渡所得に対して所得税
受贈者の受贈益に対して法人税
売却益・譲渡所得:売却した不動産の時価が取得費よりも高い場合に発生する利益
受贈益:譲り受けた不動産の時価


よくあるケースとして、経営者が所有する土地を会社に売却する、会社の社宅を経営者に売却するなどがあります。贈与者のどちらかが法人の場合、贈与税がかからない代わりに所得税や法人税が課税されるため注意が必要です。

以下の記事では、不動産売却時の譲渡所得について解説しているので、興味がある人はご覧ください。

不動産売却時の譲渡所得について

2.2. 法人間の不動産取引

贈与者と受贈者がどちらも法人の取引では、法人税がかかる場合があります。

贈与者 受贈者 課税される税金
法人 法人 贈与者の売却益に法人税
受贈者の受贈益に法人税
売却益:売却した不動産の時価が取得費よりも高い場合に発生する利益
受贈益:譲り受けた不動産の時価


よくあるケースとして、親会社から子会社へ不動産を売却するなど関連会社同士の不動産取引があります。この場合は贈与税がかからない代わりに、法人税がかかるため注意が必要です。

3. 【最高税率55%】贈与税の計算方法

贈与税の計算方法について説明します。

贈与税の計算方法は、暦年課税と相続時精算課税の2通りあります。一般的に暦年課税が用いられるケースが多いため、ここでは暦年課税の計算方法を詳しく解説します。

3.1. 贈与税の計算方法(暦年課税)

暦年課税とは、1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与価額から、基礎控除額110万円を控除した金額に税率をかけて計算する方法です。年間の贈与価額が110万円以下の贈与は、非課税になります。

贈与税の計算方法は、以下の通りです。

贈与税=(年間の贈与価額−基礎控除額110万円)×税率−控除額

一般的な不動産の贈与の場合、贈与価額は相続税評価額です。ただし、前章で解説した、時価よりも著しく低い価格の不動産売却のように、時価(市場の取引価格)を基準にする場合もあります。

また、贈与税の税率と控除額は、不動産をあげる人ともらう人の関係性によって、一般贈与財産と特例贈与財産に分かれます。

一般贈与財産:兄弟間、夫婦など特別贈与財産に該当しない場合の贈与

特別贈与財産:直系尊属(祖父母・父母など)から20歳以上の子・孫などへの贈与

税率(一般贈与財産)

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%  なし
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1000万円以下 40% 125万円
1500万円以下 45% 175万円
3000万円以下 50% 250万円
3000万円超 55% 400万円

税率(特別贈与財産)

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% なし
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1000万円以下 30% 90万円
1500万円以下 40% 190万円
3000万円以下 45% 265万円
4500万円以下 50% 415万円
4500万円超 55% 640万円

計算方法

贈与価額2900万円=時価3000万円−100万円

基礎控除後の課税価格2790万円=贈与価額2900万円−基礎控除110万円

贈与税額 990.5万円=2790万円×税率45%−控除額265万円

祖父が孫(20歳以上)に時価3000万円の不動産を100万円で売却した場合、贈与税額は990.5万円です。

贈与税の税率は、最高で55%と高利率になっているため、課税価格によっては税額が高額になる場合があります。贈与を受ける人の負担を減らすため、後述の負担を軽減させる方法を検討することをおすすめします。

3.2. 相続時精算課税制度とは?

贈与税を計算するもう一つの方法は、相続時精算課税制度です。

これは、原則60歳以上の父母・祖父母から20歳以上の子・孫など親族間で利用できる生前贈与の制度です。

相続時精算課税制度を選択すると、2500万円までの贈与価額に対して控除を受けられるため、贈与税を節税できる場合があります。2500万円を超えた部分には、一律で税率20%の贈与税が課税されます。

相続時精算課税という制度名の通り、相続時にそれまでに受けた贈与と他の相続財産との合計価額に対する相続税から、すでに納めた贈与税を控除して精算する仕組みです。

また、相続時精算課税制度は、一度選択すると取り消すことができないため、選択は慎重に行う必要があります。

相続時精算課税制度の詳しい情報は、国税庁の公式サイトでご確認ください。

4. 負担付贈与の注意点【敷金付き賃貸アパートの贈与など】

親族への贈与を検討している人の中には、敷金の返還債務がある賃貸アパートや、ローンが残っている不動産を所有している人もいるでしょう。このような資産の贈与を、負担付贈与といいます。

負担付贈与とは、受贈者に一定の債務を負担させることを条件に資産を贈与することです。一定の債務には、賃貸物件の敷金やローンの残債などがあります。 不動産の負担付贈与は、時価が基準になる点に注意が必要です。

一般的な不動産の贈与は、相続税評価額が基準になります。

負担付贈与で基準になる時価は、相続税評価額よりも高く設定されているケースが一般的で、贈与税の負担が大きくなる場合があるため注意が必要です。

4.1. 負担付贈与を回避する方法

敷金の返還債務がある賃貸アパートを贈与する場合、敷金相当額の現金を同時に贈与することで、負担付贈与を回避できます。

贈与者が敷金相当額の現金を贈与すると、受贈者は敷金返還債務の負担をまぬがれたことになります。経済的な利益を受けているわけではないため、現金に対しては贈与税がかからない仕組みです。

5. 不動産売却で贈与税の負担を軽減させる方法

ここまで記事を読んだあなたには、贈与税に高い税率が設定されていることをご理解いただけたと思います。ここからは、不動産売却で贈与税の負担を減らす方法を解説していきましょう。

5.1. 適正価格で取引する

不動産売却では、取引価格を極端に低く設定すると贈与とみなされる場合があります。そのような事態を避けるためには、適正価格で取引することが大切です。

適正価格を確認する方法は複数ありますが、おすすめは不動産一括査定の利用です。不動産一括査定では複数の不動産会社に査定を依頼できるため、効率よく相場を確認できます。

ただし、適正価格で売却したことを証明するためには、不動産鑑定士による鑑定評価書が必要なケースがあるため、不動産会社に相談しながら進めてくださいね。

5.2. 現金化して基礎控除内で贈与する

贈与税の基礎控除額は、年間110万円です。不動産を一度売却して現金化し、毎年少しずつ贈与することも手段の一つです。

ただし、現金で贈与する場合、やり取りを記録に残しておく必要があります。銀行振込で送金履歴を残すなど、基礎控除内で贈与を受けたことをを証明できるようにしておきましょう。

不動産売却時にかかる税金については、以下の記事をご覧ください。


不動産売却時の譲渡所得について
不動産売却時の税金計算方法とシミュレーション

5.3. 住宅取得資金贈与の特例

住宅取得資金贈与の特例とは、マイホームの新築、購入などに使う資金を父母や祖父母から贈与してもらった場合、一定の金額まで贈与税が非課税になる制度です。

非課税枠は、適用される消費税率や契約時期よって変わります。

また、2021年8月時点で、この特例制度の適用期限が2021年12月31日となっています。利用を検討している人は、計画的に行動しましょう。

住宅取得資金贈与の特例の詳細は、国税庁の公式サイトでご確認ください。

5.4. 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除

結婚から20年以上経った夫婦間で、マイホームまたはマイホームを取得するための資金を贈与した場合、2000万円まで配偶者控除を受けられます。

この控除は贈与税の基礎控除110万円と併用できますが、控除を受けられるのは夫婦1組につき1回までです。こちらも制度の詳細は、国税庁の公式サイトでご確認ください。

6. まとめ

著しく低い価格で不動産を売却すると、贈与を受けた人に高額な贈与税が課税される場合があります。贈与を受ける人に思いがけない負担をかけないように、制度を上手に活用して贈与税の負担を軽減させましょう。

  • 時価よりも著しく低い価格での不動産売却は、贈与税の課税対象になる場合がある
  • 贈与税の課税対象は、個人間の取引のみ
  • 個人と法人または法人間の不動産売却は、法人税や所得税の課税対象になる場合がある
  • 贈与税の最高税率は55%
  • 敷金付き賃貸アパートは、敷金の引き継ぎ方に注意
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