思ったよりも忙しい−オーナー実務
安定した収入が見込め、資金調達ができれば誰でも始められる『アパート経営』。 現在でも、根強い人気があります。 そのため、ノウハウ本やブログなどでも、よい物件の見分け方や、購入後のキャッシュフローを向上させるためのウラ技が多く紹介されています。
しかし、購入後のオーナーさんの実務について触れられているものはあまりにも少ないように感じられます。 今回は管理委託を不動産業者に委託しなかった場合の『オーナーさん業務』について触れてみたいと思います。
入居者発見〜入居中
物件を購入し、引渡し完了して、ほっと一息つきたいところですが、翌月にはアパートローンの1回目の支払いがやってきます。 既に満室稼働中の中古物件を購入した場合などを除いて、少しでも早く入居者を見つけて賃貸経営を安定させる努力をしなくてはなりません。 立地、賃料、物件これらすべてが合格点でも、人の流動があまりない時期である場合、入居者の確保はなかなか難しいものです。
【主な業務】
・募集計画の立案(賃貸募集雑誌へ広告出稿するなど)・新規募集時の賃貸条件設定
・他仲介業者様の問い合わせ対応
・入居希望者の現地案内
・入居審査
・賃貸借契約書の作成、締結、保管
・保険・相互会加入の案内・加入手続き
無事に借り手が見つかった後は、管理業務が待っています。
『管理業務』は入居者を管理するだけが『管理業務』ではありません。
建物や、近隣への対応も含めて『管理業務』なのです。
【主な管理業務】
・家賃回収・家賃滞納者への督促、任意の明け渡し交渉
・入居者の更新手続き
・敷金の保管
・入居者様・近隣住民からのお問い合わせ対応
・共用部分の日常清掃
・設備の保守、点検(廊下の照明や給水設備のタンク清掃など)
・設備不良・故障時の手配・管理
・法令やその地域の条例に沿った設備の設置(火災警報器設置など)
・クレーム対応
・(緊急時)連帯保証人への連絡
小さなものから大きなものまでオーナー業務は多岐にわたります。 しかも発生時間は平日昼間とは限らないのです。 たとえば、「水道の蛇口が壊れて水が止まらなくなった。すぐに何とかしてほしい。」というような設備不良はよく聞く話ですが、他のお仕事が本業の『サラリーマン大家さん』ではすぐ対処できないと思います。 また、自然災害に遭った場合、その後の対応や処理は膨大です。 本業でアパート経営を生業としていても、とても少人数でこなせる業務ではありません。
退去〜退去後
入居者から退去の申し出を受け付けたら、次の入居者に入居してもらえる部屋に回復させるまでが業務です。 この業務もけっこうなエネルギーを消費するものです。
【主な業務】
・退室申し出の受付、各種精算(敷金、修繕など)・室内補修に必要な工事の受発注(クリーニング及び補修業務)
・退室時の電気・ガス・水道の精算確認
・退室立会い・室内検査
・滞納者との返済計画の立案(滞納による強制退去の場合)
特に、退去時の修繕について、オーナーと入居者どちらが費用を負担するのか決定するのが難しいところだと思います。 最近では、この点を交渉するプロが存在するとも言われています。
しかし、ここをちゃんとしておかないと無事に次の入居者に入居してもらえるような部屋には回復せず空室の原因になり、安定収入とは程遠い状態になってしまいます。
不動産会社の助けを借りて
これでは、アパート経営をやってみたくても、なかなか実行に踏み切れるものではありません。 夢のまた夢になってしまいそうです。 ネットやブログで紹介されているウラ技は賃貸管理業のほんの一部でしかありません。 また、紹介されている事例とまったく同じクレームが起こることは皆無です。 入居者は一人一人違うのですから、起こるクレームや対処は同じにはならないのです。
こういったことにならないよう、多少コストはかかりますが、不動産会社が取り扱っている賃貸管理システムをお使いになることをお勧めします。 一般的に、管理業務を不動産会社に任せると賃料の5%前後のコストが発生します。 最近の賃貸管理業務はさまざまなバリエーションがあります。 オーナー業務は非常に多岐にわたりますので「この費用の中には含まれず別途料金が必要です。」という業務もあるようです。 これは管理を委託する不動産会社の規模や抱えている物件数などでも違ってきます。
この5%前後のコストで何の業務を代行してくれるのか? この点についてはしっかりチェックして比較検討してください。 委託するときにもっともよく見てほしいのが、その会社の営業マンです。 安心できる規模の大きな不動産会社であれば、当然多くの事例を経験しています。 しかし、こちらが質問したときに事務的な答えを返してくるようでは、少々問題があるかもしれません。 管理を委託した後も的確な対応をしてくれることが必要とされる業務ですから、臨機応変な対応ができる会社を選びたいものです。
以上が【思ったよりも忙しい−オーナー実務】です。 キャッシュフローを向上させるため、コスト削減を考えていくのは大変重要なポイントだと思います。 ですが、削減してよいもの、してはいけないものの区別はオーナー様それぞれの状況や物件でずいぶんと違ってくるものです。 皆さんは物件を購入される際、必要となるコストの中に『管理委託料』を含めていますか? もし含めていないのであれば是非この費用も含めていただくことをお勧めします。
情報提供
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