不動産売却における電気・ガス・水道の解約時期と解約時の注意点

不動産を売却する際、買主への引き渡しのために多数の手続きをこなさなければなりません。その中でも、電気・ガス・水道の解約のタイミングにお悩みの方がいるのではないでしょうか。

ここでは、不動産売却におけるライフラインの解約時期や解約時の注意点を解説します。

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1. 不動産売却時の電気・ガス・水道の解約時期は？

不動産を売却する際の電気・ガス・水道の解約は、買主へ引き渡すまでに行います。一般的に、手続きの申し込みから対応までにかかる期間は約1週間です。ただし、引っ越しシーズンである繁忙期（3月前後）は手続きに時間がかかる可能性があるため、できる限り早めに対応しましょう。

また、マイホームを売却する際は、売却活動中も住み続ける場合と売却活動前に仮住まいへ引っ越す場合があると思います。それぞれのケースで注意点が異なるため、ケース別に解説します。

1.1. 売却活動中に住み続ける場合のタイミング・注意点

引き渡し直前までマイホームに住み続ける場合、引き渡しまでに解約手続きを済ませるイメージで計画を立てましょう。余裕を持って手続きを進めるために、不動産売却時の流れを確認しておくことをおすすめします。

1. STEP1：売却活動（買主探し）
2. STEP2：内覧対応
3. STEP3：売買契約・買主のローン審査
4. STEP4：引っ越し準備
5. STEP5：残金決済・引き渡し

買主がローンを利用する場合、審査に時間がかかるため売買契約（STEP3）から引き渡し（STEP5）までに一定期間を要します。とはいえ、引き渡しまでの期間は引っ越しだけでなく、各種手続きや引き渡しに必要な書類の準備など、するべきことがたくさんあります。

引き渡しまでにライフラインを解約できるように、早めに手続きを済ませましょう。

1.2. 売却活動前に退去する場合のタイミング・注意点

すでに仮住まいが決まっており、売却予定の不動産を退去してから売却活動を始める場合、「経費削減のためにライフラインを解約しておきたい」と考える方がいるかもしれません。しかし、売却活動中は、電気・ガス・水道を使用できるようにしておいた方が無難です。

売却活動の前に退去する場合でも、引き渡しまでに解約するように計画を立てるとよいでしょう。

2. 【不動産売却時】電気・ガス・水道を内覧前に解約するべきでない理由

売却活動を始める前に退去する場合でも、内覧前にライフラインを解約することはおすすめできません。理由は内覧に支障をきたし、結果的に売却期間が長引く恐れがあるためです。売却期間が長引くと、希望の価格で売却できない、建物の劣化を招くといった影響が出る可能性もあります。

ここでは、内覧前にライフラインを解約するべきでない理由を解説します。

不動産売却時の内覧を成功させるコツとは

2.1. 照明を利用できず、魅力が伝わらない

不動産売却時の内覧は、非常に重要なステップです。物件の広告を見て興味を持ってくれた購入検討者に対して、物件の魅力をアピールできれば契約成立につながります。

日当たりが悪い部屋でも照明を付けると印象が良くなるなど、内覧時の照明は大切な役割を担います。しかし、電気を先に解約してしまうと、そのようなテクニックを活用できません。

また、買主の都合によっては、日中に内覧できない場合もあります。陽が落ちてからの内覧は物件の魅力が伝わりにくいため、この場合も照明が必要です。

内覧で魅力をアピールできない場合、結果的に売却活動が長引く恐れがあります。

2.2. 購入検討者が設備の状態を確認できない

購入検討者の中には、水回り設備や床暖房など各設備の仕様を確認する方が多いでしょう。電気・ガス・水道を早々に解約してしまうと、それらの状態を確認できません。売買契約が成立した後も、設備の最終確認をしたい方や、寸法を確認したい方もいます。

ライフラインは早々に解約せずに、「引き渡しまでに解約できるように手続きする」という考え方が無難でしょう。

2.3. 建物の内部や設備の劣化を招く恐れがある

建物の内部や設備は、入居中よりも空き家の方が劣化しやすくなります。その理由の一つは、換気不足です。電気を早く解約してしまうと、換気扇を使用できずに建物の劣化を早めてしまう恐れがあるため、注意が必要です。

3. 不動産を売却する際に買主へ名義変更するのはあり？

不動産を売却する際、電気・ガス・水道を解約せずに買主への名義変更を検討している方もいるでしょう。しかし、ライフラインを解約せずに買主へ引き渡す方法はおすすめできません。

ライフラインの名義変更をおすすめできない理由は、以下2つです。

不動産売却時の税金や費用の負担は、引き渡し日までは売主負担、引き渡し日以降は買主負担となるケースが一般的です。ライフラインを名義変更すると、引き渡し以前の支払い請求が買主へ届いてしまう恐れがあります。

余計なトラブルを防ぐために、名義変更ではなく、売主が解約後に買主が新たに契約する方法がよいでしょう。

4. ライフラインの解約に立ち会いは必要？

電気・ガス・水道における解約時の立ち会い要否は、ケースバイケースです。例えば、精算を現金で行う場合やガスメーターなど設備の設置状況によっては、立ち会いが必要になります。

また、マンションがオートロックになっているなど、関係者が立ち会わないと作業できない場合も立ち会いが必要になるでしょう。

売却予定の物件やライフラインの契約先によって対応が異なるため、立ち会いの要否を早めに確認しておくことをおすすめします。

5. 不動産売却時におけるライフラインの解約手続き

電気・ガス・水道の解約時は、インターネットまたは電話にて契約先へ手続きの申し込みを行います。申し込み時に必要な情報を以下にまとめました。

契約先によって手続きの方法や必要な情報が異なるため、詳細は各社の公式サイトにてご確認ください。

6. まとめ

不動産売却におけるライフラインの解約手続きは、引き渡しまでに済ませましょう。手続きは余裕を持って行うべきですが、内覧前など早期の解約はおすすめできません。解約のタイミングが早すぎると売却期間が長引く原因になるため、注意が必要です。