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不動産売却後にかかる税金の計算方法や税額に影響する3つの要素、利用できる特例制度など
不動産の売却後にかかる税金は「分離課税方式」で課税されます。給与所得や事業所得とは異なる計算方法のため、仕組みを理解しておくことが大切です。不動産売却後にかかる税金の計算方法や税額に影響する3つの要素について、わかりやすく解説します。
具体的な事例を用いたシミュレーションやマイホーム売却時の特例制度も紹介しますので、ぜひご一読ください。
今は読んでいる時間が無い!という方、この記事の要点はこちら目次
不動産の売却後にかかる税金は「譲渡所得税」です。譲渡所得税は分離課税方式で課税されるため、他の所得と分けて税額を計算します。
労働や資産の売却などによって、何らかの所得を得た方には所得税・住民税が課税されます。所得は全部で10種類あり、基本的に所得×税率で税額を計算する仕組みです。
ただし、課税方法には総合課税方式と分離課税方式があり、前者は複数の所得をまとめて計算する方法、後者は他の所得と分けて計算する方法です。
多くの所得は総合課税方式で課税されますが、不動産売却時に生じる譲渡所得など例外的に分離課税方式で課税される所得があります。
例えば、1年間に以下3つの所得が生じたとしましょう。
事業所得と雑所得は、総合課税の所得です。事業所得500万円と雑所得100万円を合算し、各種控除を差し引いてから一括で税額を計算します。
一方、不動産の売却によって生じた譲渡所得300万円は分離課税です。事業所得や雑所得と合算せずに、300万円を個別に計算する仕組みです。
所得税 | 住民税 | |
---|---|---|
所有期間5年以下(短期譲渡所得) | 30% | 9% |
所有期間5年超え(長期譲渡所得) | 15% | 5% |
※2037年までは、復興特別所得税として基準所得税額× 2.1%が加算されます
所有期間が5年以下の不動産を売却した場合は「短期譲渡所得」、所有期間が5年超えの不動産を売却した場合は「長期譲渡所得」として課税される仕組みです。短期譲渡所得として課税される場合、高い税率が適用されます。
なお、不動産の「所有期間」とは、実際の所有期間ではなく、売却した年の1月1日を基準にした期間を指します。
例えば、不動産の取得時期が2018年10月の場合、2023年12月に売却すれば実質的な所有期間は5年2ヶ月です。しかし、1月1日を基準にすると5年以下であるため、短期譲渡所得として課税されます。
譲渡所得とは、以下の計算式で求めた金額です。
譲渡所得=売却価格 −(取得費+譲渡費用)
不動産の購入金額と購入時にかかった経費です。
例:登録免許税、不動産取得税、土地の測量費
※取得費が不明の場合は、売却価格× 5%を取得費として計上できます
不動産を売却するために直接かかった経費です。
例:仲介手数料、売主が支払った印紙税、土地を売却するための建物の解体費
売却価格が同額であれば、控除できる取得費や譲渡費用が多いほど税金の負担が軽くなる仕組みです。
【不動産売却時】取得費の計算方法とは会計の世界には「減価償却」という考え方があります。減価償却とは、経年劣化によって価値が下がった分を購入金額から差し引くことです。売却する不動産に建物が含まれる場合、減価償却について理解を深めておくとよいでしょう。
建物の購入金額は、譲渡所得を計算する際の取得費として計上できます。
ただし、建物は経年劣化によって資産価値が下がるため、購入時から売却時までに価値が下がった分を差し引いて計算しなければなりません。建物の取得費として計上できる金額は、以下の計算式で求めます。
建物の取得費=(建物の購入金額+購入にかかった経費)−減価償却費
築年数の古い建物は、減価償却費が大きくなる傾向にあります。減価償却費が高額になるということは、売却価格から控除できる取得費が減るということです。つまり、譲渡所得の金額が高くなり、譲渡所得税の負担増加につながります。
不動産売却と耐用年数・減価償却の関係とは?【築年数が査定や売却に与える影響】不動産を売却するといくらの税金がかかるのか、シミュレーションで具体的に計算してみましょう。ここでは所有期間による税額の違いを比較するために、短期譲渡所得と長期譲渡所得に分けて計算します。
譲渡所得750万円※
※内訳は以下の通りです
所得税額※ | 住民税額 | 合計 | |
---|---|---|---|
短期譲渡所得 | 2,297,250円 | 675,000円 | 2,972,250円 |
長期譲渡所得 | 1,148,625円 | 375,000円 | 1,523,625円 |
※復興特別所得税額を含めた税額です
※復興特別所得税率を含めた税率
譲渡所得750万円=売却価格5000万円−(取得費4000万円+譲渡費用250万円)
所得税2,297,250円=750万円× 30.63%
住民税67.5万円=750万円× 9%
※復興特別所得税率を含めた税率
譲渡所得750万円=売却価格5000万円−(取得費4000万円+譲渡費用250万円)
所得税1,148,625円= 750万円×15.315%
住民税37.5万円=750万円×5%
例えば「3000万円の特別控除」は、マイホーム売却時の譲渡所得から最高3000万円を控除できる特例です。
また、不動産を売却して所得が増えたタイミングでふるさと納税を活用すると、例年よりもお得に税額控除を受けられる可能性もあります。
各種特例制度やふるさと納税を用いた節税については、以下の記事をご覧ください。
【3000万円の特別控除とは】不動産売却で必要な税金の知識所得の対象期間:毎年1月1日から12月31日
確定申告の期限:売却した翌年の2月16日から3月15日
不動産売却後の確定申告については以下の記事をご覧ください。
参考:不動産売却後の確定申告と注意点分離課税方式とは、不動産売却時に生じる譲渡所得のように、他の所得と分けて課税される方法です。不動産の売却後にかかる譲渡所得税は、分離課税方式で課税されます。
譲渡所得税は、不動産の所有期間や売却価格、経費によって税額が決まります。特に、短期譲渡所得として課税されると税率が高くなるため、売却のタイミングに注意が必要です。
マイホームを売却する際は、特例制度を利用できる可能性があります。特例を利用するには条件を満たす必要があるため、制度について確認しておきましょう。
分離課税とは?
不動産の売却後にかかる税金は「譲渡所得税」です。譲渡所得税は分離課税方式で課税されるため、他の所得と分けて税額を計算します。
多くの所得は総合課税方式で課税されますが、不動産売却時に生じる譲渡所得など例外的に分離課税方式で課税される所得があります。
詳しくは<1. 分離課税とは?不動産売却後にかかる税金と他の所得の違い>をご参照ください。
不動産売却時の注意点
不動産売却時の譲渡所得税は「申告分離課税」という課税方法のため、譲渡所得が生じた方は確定申告が必要です。また、特例制度を利用する方も確定申告が必要になるため、忘れずに手続きをしましょう。
詳しくは<5. 譲渡所得が生じたら確定申告が必要>をご参照ください。
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