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公示価格を参考に実勢価格を求める方法や自分で査定する場合の注意点など
公示価格は、不動産売買取引の指標となる価格です。不動産売却時における相場の把握に役立つため、売却前に意味合いを確認しておくとよいでしょう。ここでは、公示価格の基本情報や公示価格から実勢価格を求める方法、自分で査定する際の注意点について解説します。
今は読んでいる時間が無い!という方、この記事の要点はこちら目次
また、公示価格は毎年公表されるため、地価の動向の把握にも役立ちます。売却のタイミングを検討している方は、最新情報と併せて過去の数字も確認してみてはいかがでしょうか。
不動産には、売買契約が成立するまでに複数の価格が存在します。
公示価格は不動産の適正価格を知る上で大切な数字です。ただし、公示価格を基準に売り値を設定すれば売れるのかというと、そうとは限りません。
公示価格に対して、実際に取引が成立する価格を実勢価格と呼びます。不動産取引では売主と買主で交渉しながら契約条件を定めるため、売り出し価格と実勢価格が異なるケースが多々あります。概要 | 実施主体 | 評価時点(公表時期) | |
---|---|---|---|
公示価格 | 不動産売買取引の基準となる価格 | 国土交通省 | 毎年1月1日(3月下旬) |
基準地価格 | 公示価格を補完するための価格 | 都道府県 | 毎年7月1日(9月下旬) |
路線価 | 相続税や贈与税の算出根拠となる価格(公示価格の8割程度) | 国税庁 | 毎年1月1日(7月1日) |
固定資産税評価額 | 固定資産税の算出根拠となる価格(公示価格の7割程度) | 市町村 | 基準年※の1月1日(4月頃) |
※基準年:3年に一度
公示価格と基準地価格は実施主体が異なりますが、同等の価格と認識していただいて問題ありません。不動産の価値は査定の時期によって変動します。公示価格の評価時点である1月1日と次年度までの評価時点とのずれを補完する目的で、基準地価格が公表されます。
路線価、固定資産税評価額を使用した売却価格の計算方法など2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|
全国 | 0.8% | −0.4% | 0.5% | 1.4% |
東京23区 | 4.6% | −0.5% | 1.5% | 3.4% |
さいたま市 | 2.2% | −0.7% | 1.5% | 2.8% |
千葉市 | 1.3% | 0.4% | 1.0% | 1.9% |
横浜市 | 1.1% | −0.2% | 0.8% | 1.5% |
コロナ禍で冷え込んでいた景気が徐々に回復しており、都市部だけでなく地方でも地価が上昇傾向です。
不動産の価値は個々で異なります。地価の平均価格が上昇していれば高く売却できるとは限りません。とはいえ、買い手が見つかりやすい時期を狙って売却することは大切です。売却を検討する際は、不動産市場の動向を把握しつつ、適切なタイミングを見極めましょう。
確認できる価格 | 運営元 | |
---|---|---|
不動産情報ライブラリ | 公示価格、基準地価格、類似物件の実勢価格 | 国土交通省 |
路線価図・評価倍率表 | 路線価 | 国税庁 |
不動産ポータルサイト | 類似物件の売り出し価格 | 民間企業 |
不動産情報ライブラリには、以下2つの機能があります。
周辺の取引事例を確認する場合、不動産取引の価格情報で検索してみてください。
また、不動産ポータルサイトの売り出し価格は、あくまでも「売主の希望価格」です。先述の通り、売り出し価格と実勢価格は異なる点にご注意ください。
また、実勢価格の目安は公示価格の110%から120%と言われています。この倍率を基準にすると、公示価格50万円、地積100m2の土地であれば実勢価格の目安は5500万円から6000万円です。
ただし、上記の乖離率はあくまでも目安です。次に解説する通り、地域や事例によって数値が大きく異なる点にご注意ください。
公示価格と実勢価格について、もう少し具体的に見ていきましょう。以下の表は、新宿区と品川区における公示価格(平均)と不動産情報ライブラリに掲載されている実勢価格の一部を抜粋したものです。
公示価格(平均) | 実勢価格 | ||
---|---|---|---|
中央値(乖離率) | 最高値(乖離率) | ||
新宿区 | 約81.6万円 | 92万円(112%) | 210万円(257%) |
品川区 | 約86万円 | 93万円(108%) | 200万円(232%) |
※公示価格は2022年の平均価格、実勢価格は2022年の取引が対象です
※各価格は1m2あたりの価格を表しています
例えば、新宿区の公示価格は平均で約81.6万円です。同地区における過去の取引事例を住宅地に限定して検索した場合、中央に位置する価格帯が92万円、最高値が210万円でした。これらの価格を公示価格で割ると、乖離率はそれぞれ112%と257%です。
このように、同じ地区の土地でも対象によって実勢価格が大きく異なります。「乖離率はあくまでも目安」と言われる理由をご理解いただけたのではないでしょうか。
また、上記は特定の条件、特定の時期で検索した場合の数字であり、検索条件や対象期間によっても算出結果が異なる点にご注意ください。
公示価格と乖離率が分かれば、土地の目安を簡単に算出できます。ただし、公示価格から算出できる参考価格には不動産の個別性が反映されていません。個別性とは、日当たりや前面道路との関係、土地の形状など、その不動産特有の性質です。
公示価格は地域全体の参考価格になりますが、標準地と売却したい土地の性質は異なります。不動産の個別性を反映させるには、多くの情報や専門知識、経験が必要です。
売り出し価格は、不動産会社による査定結果を基に決めることをおすすめします。また、不動産会社が保有する情報や営業担当者の経験によって、査定結果に数十万円から数百万円の差が生じることもあります。相談先を選定する際は、複数社を比較することも重要です。
複数社への査定依頼には、無料の一括査定サービスがおすすめです。一括査定サービスでは、売却に強い不動産会社があらかじめ厳選されており、その中から物件と相性の良い会社を効率良く探せます。費用はかかりませんので、ぜひご活用ください。
公示価格は、不動産取引の指標となる大切な数字です。不動産売却時の相場の把握に役立つため、知っておくと便利です。ただし、不動産の適正な相場は多くの要素を考慮して算出します。売り出し価格を決める際は、不動産会社による査定を検討しましょう。
売却に強い不動産会社探しには、無料の一括査定サービスが便利です。複数社へ効率良く依頼できますので、ぜひご活用ください。
「地価公示価格」とは?
地価公示価格(以降、公示価格にて)とは、国土交通省が毎年1月1日に公示する標準地の価格のことです。全国で約2.6万地点の標準地が設定されています(2023年時点)。
公示価格は、市場で取引される価格の指標となる大切な数字です。さらに、相続税や固定資産税の算出や公共事業用地の取得価格算定の基準としても活用されるなど、多方面で重要な役割を担っています。
詳しくは<1.不動産売却時の参考になる「地価公示価格」とは?>をご参照ください。
公示価格から売り出し価格を求める際の注意点は?
公示価格と乖離率が分かれば、土地の目安を簡単に算出できます。ただし、公示価格から算出できる参考価格には不動産の個別性が反映されていません。個別性とは、日当たりや前面道路との関係、土地の形状など、その不動産特有の性質です。
詳しくは<3.公示価格から売り出し価格を求める際の注意点>をご参照ください。
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