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不動産売却に欠かせないREINS(レインズ)の仕組みから見方まで
不動産の売却を進めていくと「REINS(レインズ)」という普段の生活の中では聞きなじみのない単語が出てくることがあります。
不動産会社と媒介契約を結んだ際にはREINS(レインズ)の登録証明書を渡されることがありますが、どういったものなのか理解していないとその重要性についてもあやふやなままになってしまいます。そこで、ここではREINS(レインズ)について詳しく解説していきます。
今は読んでいる時間が無い!という方、この記事の要点はこちら目次
「REINS(レインズ)」とは、国土交通大臣が指名した指定流通機構が運営するネットワークシステムのことです。Real Estate Information Network System(不動産流通標準システム)の頭文字を略称して「REINS(レインズ)」と呼ばれています。
REINS(レインズ)には、賃貸または売却したい不動産の面積や外観写真・図面などの情報が、細かく掲載されています。また、現在売り出し中の物件だけでなく、成約済みの物件の情報も閲覧することができるようになっています。
国内では、4つの指定流通機構があり、それぞれ地域に分かれて運営をしています。
東日本レインズ | 北海道・青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・新潟県・山梨県・長野県 |
---|---|
中部レインズ | 富山県・石川県・福井県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県 |
近畿レインズ | 滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県 |
西日本レインズ | 鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県 |
REINS(レインズ)は、不動産売買におけるインフラとして1990年に整備されました。現在でも、健全な取引を行うには欠かせない存在です。
現在では様々な不動産ポータルサイトがあり、一般の方でも簡単に市場に流通している物件を見ることができるようになりましたが、そういったポータルサイトが普及する以前は簡単に物件の情報にアクセスすることはできませんでした。
また、REINS(レインズ)の普及以前は、不動産会社も自社で直接預かっていない物件の紹介を行うことは簡単にはできませんでした。
さらに、不動産の仲介を行う会社は、取引を成立させた際の仲介手数料を利益として活動しています。売買の仲介手数料は、売買が成立した際に売主・買主の両者から受け取ることが可能です。
一つの不動産会社が、売主も買主も見つけて来て両者から仲介手数料を受け取ることができれば、どちらか片方だけを見つけて来て売買を成立させるのと比べて2倍の利益を得ることができます。
上記のような状況もあいまって、なるべく双方から利益を受け取るよう、他の不動産会社と協力すれば買主がすぐに見つかる状況であっても、自社だけで売主と買主を探そうとする「囲い込み」が行われていました。
しかし、REINS(レインズ)に登録された物件はどの不動産会社でも見ることができますので、囲い込みの抑制にもつながり、売主・買主双方の利益を守ることに繋がります。
不動産売却を行うにあたって、自分の不動産もREINS(レインズ)へ登録してほしいという方もいるでしょう。
REINS(レインズ)は、不動産会社が閲覧することのできるポータルサイトですので、一般の方がご自身の不動産を登録することはできません。不動産をREINS(レインズ)に掲載するには、不動産会社と媒介契約を結び、不動産会社に物件の登録を行ってもらう必要があります。
また、REINS(レインズ)への登録が完了すると登録証明が発行されます。登録証明書は、不動産情報の登録完了後に不動産会社から遅滞なく交付されるものですので、必ず確認するようにしましょう。
媒介契約とは、不動産会社へ不動産売買・賃貸借などの仲介を依頼する契約のことです。媒介契約には、「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があります。
この中で、REINS(レインズ)への登録義務があるのは、「専任媒介」もしくは「専属専任媒介」の2種類です。
必ずREINS(レインズ)へ登録してほしい、という方は「専任媒介」「専属専任媒介」のいずれかを不動産会社と締結するのをお勧めします。ただし、「専任媒介」「専属専任媒介」を締結した場合は、他の不動産会社と媒介契約を締結することはできませんので、注意してください。
また、一般媒介であっても、不動産会社によってはREINS(レインズ)へ登録してくれる場合もあります。既に一般媒介を不動産会社と結ばれている場合は、該当の不動産会社に相談してみてくださいね。
媒介契約の種類について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
不動産売却時の媒介契約の種類と特徴(一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約)不動産会社であれば、どの会社でもREINS(レインズ)に掲載されている物件を見ることができ、購入希望者へ紹介することができるため、広く購入希望者を探すことができます。
また、REINS(レインズ)への掲載の義務がある専任媒介・専属専任媒介では、媒介を結んだ不動産会社は確実にあなたから仲介手数料を受け取ることができるため、広告活動などにも力を入れやすく、積極的に売却活動を行うことになるでしょう。そのため、早期売却を期待することができます。
そして、近所の方に知られずに不動産を売却したいという方にもREINS(レインズ)への掲載がおすすめです。
昨今では様々な不動産ポータルサイトがあり、不動産会社へ来店しなくても、売り出し中の不動産を誰でも簡単に閲覧することができます。
売却活動の一環として不動産ポータルサイトへあなたの物件を掲載すると、多くの人の目に入ることになり、購入希望者を広く募ることができます。
しかし、誰でも見ることができるということは、知られたくない人にも売却活動を行っていることを知られてしまう危険性があります。
一方で、REINS(レインズ)は不動産業者のみが見ることのできるサイトですので、REINS(レインズ)へのみ掲載し、その他の不動産ポータルサイトへの掲載は行わないように依頼することで、不動産業者と不動産会社と相談している購入希望者へのみ情報を届けることができます。
状況に応じて、不動産会社と相談して売却の方針を決めていきましょう。
結論からお伝えしますと、REINS(レインズ)を不動産業者ではない個人の方が閲覧することはできません。
ただし、自分の物件のREINS(レインズ)への掲載状況については、確認することができます。
REINS(レインズ)への掲載が完了した際に不動産会社から交付される「登録証明書」に売主(売却依頼主)専用IDとパスワードが記載されています。
売却依頼主用物件確認の画面からログインを行うことで、自分の物件のみ、レインズ登録情報が確認できるようになっています。
基本的に登録証明書の再発行はできないため、コピーを取るなどして紛失しないようにしておきましょう。
REINS(レインズ)によく似たサイトとして、「REINS Market Information」というサイトがあります。
こちらは、REINS(レインズ)が保有する実際に売買が行われた物件の成約価格などを検索することができるサイトです。掲載中の物件を見ることはできませんので、ご注意ください。
マンションと戸建てについて、過去の事例の面積や築年数を見ることができますので、売却したい不動産と比較し、参考にするとよいでしょう。
ただし、あくまで過去事例になりますので、あなたの不動産が実際に掲載されている金額で売却できるというわけではありません。
不動産は一つ一つ異なるので、過去の事例を見るだけでは適正な価格は分かりません。売却を検討中であれば、まずは一括査定から始めてみてくださいね。
一括査定依頼を行う不動産売却を行ううえで欠かせないREINS(レインズ)について解説しました。日常生活では中々耳にする機会もありませんが、あなたの大切な不動産を公正に売却していくために、不動産会社と相談してREINS(レインズ)を賢く使いましょう。
あなたの物件がREINS(レインズ)に登録された際は、登録証明書のコピーを必ず取り、自分の物件の掲載状況もこまめにチェックするのがおすすめです。他に分からないことがあれば、不動産会社とこまめに相談しながら、悔いの残らないよう、売却活動を進めていきましょうね。
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